温熱療法(RF-8)
|
|
がんの弱点
がん組織は、正常組織に比べ熱に弱いことが証明されています。
正常組織は、血流の増加によって熱を逃がすため温度上昇しにくいため、死滅しません。
がん組織は、血流が増えないため熱を逃がすことができす温度上昇し死滅に向かいます。
がん病巣を中心に体表から二極盤で挟みます、そこから出る高周波が生体分子を一秒間に800万回の回転を起こさせ、摩擦運動によって発熱が起こる仕組みです。そのため身体の表面から深部までが一様に加温されます。
副作用がほとんどなく、免疫も活性化される
1、治癒率が上がる
がんの種類に関係なく効果が得られ、抗癌剤や放射線に抵抗のあるがんに対しても効果が発揮できます。また加温による下記にような免疫活性が上昇し、がんに対して攻撃性を発揮します。
39℃ |
宿主免疫活性化効果(樹状細胞、NK細胞、インターフェロン-γ)薬剤の取り込みの増大、エンドルフィン活性
↓
加温による免疫活性(がん細胞に対して攻撃性を発揮) |
40℃ |
41℃ |
42℃以上 |
がん組織の直接的な壊死効果 |
2、QOL(生活の質)が向上します
がんによる疼痛の緩和、体力回復、食欲増進、気分がよくなるなどの効果があり、QOLの向上を目指します。
3、副作用や蓄積性がないため、原則として何度でも行える
43℃までの温熱は正常組織には生理的範囲であり問題ありません。まれに脂肪の固結をまねくことがありますが、しばらくすれば消失するので心配ありません。
放射線や抗がん剤は正常細胞への副作用を考えると、ある限度以上は使用できません。しかしハイパーサーミアにはそのような制約がないため、長期間にわたって治療可能です。
4、適用範囲が広い
早期のがんだけでなく、再発がんや転移性のがんにも治療適用です。
がんの種類・部位を問わず治療対象になります。
金属ステント(血管・胆管・尿管・消化管)は治療に問題ありません。
体内に金属(骨折後のボルトなど)がある場合は、事前にご連絡ください。
脳、眼球、心臓のペース・メーカーは治療対象外です。
1、手術との併用
術前にがん増殖を抑え、免疫力を高める。また術後には再発抑制に有効であることが報告されています。
2、化学療法との併用
一般に使われている抗がん剤に併用効果が認められています。
温熱によりがん周囲の血流が増えると、抗がん剤が血流に乗って効率よくがんの病巣に届けられるため、取り込みが数倍に増加するため効きやすくなります。また抗がん剤の量を減らし、副作用を軽減できるメリットもあります。
長期間抗がん剤を使用することでがん細胞が耐性を獲得し、抗がん剤が効かなくなります。温熱療法に行うと、体内でヒート・ショック・プロテイン(HSP:熱ショックタンパク)という特殊なタンパクが産生され、耐性獲得のメカニズムを一部阻害することがわかっています。
3、放射線との併用
がんが大きくなると腫瘍内の血流が悪くなり、低栄養、低酸素状態のため酸性に傾いています。通常は、このような大きながんには放射線が効きにくいことがわかっています。ところが、低酸素、低栄養状態のがんに対して温熱療法が効きやすいことから、両者の併用で増感効果が得られます。
4、がん免疫療法との併用
活性化リンパ球療法、腫瘍浸潤性リンパ球療法、樹状細胞注入療法、がんワクチン療法などの併用により標準治療の効果を高め、病状を好転させる効果が得られます。
料金
保険診療(深在、浅在によって保険点数が変わる)
電磁波温熱診療報酬点数(一連につき)
イ、深在性悪性腫瘍に対するもの 9,000点
ロ、浅在性悪性腫瘍に対するもの 6,000点
リスク・副作用
サーモトロンRF-8はがんの高周波ハイパーサーミア装置として保険適用を認められた治療装置です。多くの症例があり、安全性と有効性が認められています。
加温中に皮膚がヒリヒリしたり、熱感があったりすることがあります。まれや皮下脂肪にしこり(脂肪硬結)ができることがありますが、1〜2週間で消失します。
また、加温中に発汗で軽い脱水症状をきたすことがありますが、治療後の水分補給で治まります。
|
|